天使のいいなり
あれ?
私、夢見てる?
それとも本当にタイムスリップしちゃった?


何度ここから空を見上げたんだろう…。



「里緒?…また空見てる。」


悠斗先輩の声で我にかえる。

一緒にいる時間が気持ちよくって、本当に夢見心地で歩ってたみたい。
よくぶつかんないで歩けたなぁ。



着いたのは3年間通った高校。
体育館脇の、初めて悠斗先輩に出会った場所だ。

体育館の両脇のドアは開いていて、そこから部活をしている生徒達が見える。

ちょっと前はあそこに、私も悠斗先輩もいたんだなぁ…。



「里緒、ちょっと座んないか?でも、服汚れるかな?」

「ううん、大丈夫。座りたい。」


悠斗先輩が指差したのは、両脇のドアからつながる3段程しかない階段。

部活の休憩中、よく悠斗先輩はココに座って、スポーツドリンクを飲みながら空を見上げてた。

悠斗先輩は何を見てるんだろうって気になって、こっそり真似したコトもある。




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