天使のいいなり
断りきれなかった夏目センパイは、アッキーに私のバイト先を聞いて行ってくれたのに、当の私は不在。

責任を感じた夏目センパイは、アッキーに今度は私の家まで聞いて、来てくれたというワケ。



無事携帯電話を届けて帰ろうとしたのに、ウチのお母さんの強引さに負けて、夕ゴハンを一緒にするコトにまでなったとは…。


夏目センパイ、今日は厄日だとか思ってるだろうなぁ、きっと…。




しかもお母さんってば、夏目センパイのコト、ものすごく気に入ったみたい。

「今日は来てくれてありがとね。里緒やアッキーくんから夏目くんの話は聞いててね。おばさん、ずーっと会ってみたいと思ってたの。里緒ってばこんなだから、夏目くんに迷惑いっぱいかけてるんじゃない?」

「そんなコトないですよ。サークルでも一生懸命やってくれて、助かってますよ。」

「本当?こんな娘だけど、仲良くしてやってちょうだいね。夏目くんと瑞己くんと一緒に夕飯の準備が出来て、本当に楽しかったな~。まるで息子が出来たみたいで。これからもどんどん家に遊びに来て。おばさん寂しいから。」



夏目センパイがお母さんのタイプなのは、よーく分かった。

だって、初めてアッキーが家に来たトキと、全然違うんだもん。




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