天使のいいなり
声のトーンは上がりっぱなしだし、目がキラキラしてる。
まるで、恋する乙女だよ。

血は争えないなぁ…。


お母さんってば、いい年してはしゃぎ過ぎだよ。

調子に乗って、余計なコトまで言っちゃうなんて、思ってもいなかった。




「悠斗くんもよく、部活の帰り家に来てくれたわねぇ。夏目くんとはタイプが違うけど、悠斗くんも感じよくって。ねー、里緒。」

「あっ…、う、うん…。」


うぎゃー!!
お母さんってば、夏目センパイの前で悠斗先輩ネタはやめてー!!


だって…、絶対誤解してると思う。

ジュース拾ってもらったトキ、バッチリ聞かれてたもん…。
かと言って、私が言い訳するのもなんか変だし。

言い訳したトコロで、「なんで俺にそんなコト言うの?」なんて聞かれても困るし…。



そんな私のコトなんかお構いなしに、お母さん喋る喋る。

「悠斗くんはバレーやってたから筋肉がっしりだけど、夏目くんは細マッチョって感じねー。ジムとか行ったりするの?」


お母さん…、もうなにも言わないで。
特に、悠斗先輩の名前は出さないでー!!



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