天使のいいなり
気味が悪いほどの、満面の笑顔。

はたから見れば、超がつくほどの爽やかな少年。
うちのお母さんのストライクゾーンだね。


「あら?どちら様ですか?」

お母さんは、変態男を見ながら言った。

なんか、語尾にうっすらハートマークが付いてる感じ…。
声なんか1トーン上げて、よそ行きモードだよ。

って、観察している場合じゃない。
急いで止めなくちゃ!!


「お母さん!!コイツ…。」

「黙って。」


変態男はそう言って、お母さんの目をじっと見つめる。
怒鳴られたワケじゃないのに、私はビクっとしてなにも言えなく、動けなくなってしまった。

変態男の口元が動いている。

一体なに言ってるんだろう…?
よく聞こえない。

お母さんの方を見ると、立ってはいるけど朦朧としている感じ。

目がいつもと違う。





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