天使のいいなり
「ココ、運転席だよね?運転なんて、私無理だよ。」

「免許持ってんだろ?」

「オートマ限定だもん。」

「オートマだろ、この車。紗英さんは仕事で疲れてんだから、運転くらいしてやれよ。ナビ設定してやったから、グズグズしないて出発!」



うぅ、悔しいけど言い返せない…。
瑞己の言ってるコト、もっともだもん。


チラリと後部座席に座ってる紗英ちゃんを見る。
もうすでに窓に頭を置いて、お休み態勢に入ってる。

ここんとこ仕事が忙しいみたいで、家に帰ってくるのも遅かった。



私は諦め、車のエンジンをかける。


よし、出発!!
って思ったけど、諦めきれないコトが1つあった。


真ん中に座って、紗英ちゃんにべったり&デレデレ顔のアッキーを見て、無性に腹が立つ。


アッキーのせいで、私が運転するハメになったんだからね。
それもこれも、このチョコレートのせいじゃん!!


手に持っていたチョコレートの箱を、アッキーめがけて軽~く投げて邪魔してあげた。




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