天使のいいなり

●アッキーの企み

「小松様、お部屋は2室のご予約ですが、お荷物はどのようになさいますか?」


仲居さんが私達を見る。
仲居さんにつられて、私もみんなを見まわした。



「紗英ちゃん、2室って?」

「久々に会えるからさ、父さんと母さんを2人っきりにしてあげようと思ってね。で、あたし達子ども組とは別ってコトで2室予約したのよ。んー、じゃあ…あたしと里緒が一緒の部屋でいいよね。」

「かしこまりました。ではみなさん、お部屋へご案内致しますのでこちらへ。」




仲居さんの案内に私達はついて行く。


廊下の角を曲がろうとしたトキ、誰かに腕をつかまれた。

ドキン。心臓が飛び跳ねる。
一体何事?


突然のコトに驚く私は、声も出ない。



恐る恐るつかまれた腕を見ると、そこにいたのはアッキーで。


「もう、アッキーってばビックリさせないでよ。送れちゃうから、早く行こ?」

「あのさ…、部屋のコトなんだけどさ…。」







< 210 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop