天使のいいなり

●2人きりの花火大会、そして…

「あれ?みんなは?」


ロビーで1人待ってるトコロに、夏目センパイが戻ってきた。

一緒にいて思ったコト。

夏目センパイって、結構マイペースなんだぁって。
悪い意味で言ってるんじゃないの。
こんなセンパイの姿も見れて、嬉しいんだ。



「夏祭りがあるって聞いて、先に行っちゃいました。私たちも行きますか?」

「もしかして、俺のコト待っててくれたの?すっげーゴメン。さっきさ、仲居さんに教えてもらったんだ。部屋から花火がよく見えるって。ついてったら明仁に恨まれそうだから、部屋で優雅に花火見物するよ。里緒ちゃんも一緒にどう?」



アッキーの顔が浮かんだ。

今いい雰囲気だったのにー!とでも言わんばかりの顔が。
本当、恨まれそう。


「そうですね。私も部屋で花火にします。」





花火が始まるまで、私と夏目センパイは縁側に置いてある椅子に座り、他愛もない話をした。


話に夢中になって、気づけば最初の花火が打ち上げられていた。



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