天使のいいなり
手紙を読み終えると同時に、私は手紙を持ったまま家を飛び出した。



私、最低だ。
一時の感情で、瑞己を傷つけた。

瑞己はいつも私のそばにいて、支えてくれてたんだ。
瑞己の優しさに、甘えすぎていた。


ケンカしたまま、瑞己とサヨナラなんて嫌だよ。
私だって、瑞己のくしゃくしゃに笑った顔見たいよ。

その顔で、いつもみたいに「バーカ。」って言ってよぉ…。



私はがむしゃらに走った。

ドコに行けばいいの?
行くあてなんか、全然ない。



気づけば、私の足は初めて瑞己と会った、あの歩道橋に向かっていた。


やっぱり、もう遅すぎる?

よく言うよね。
やって後悔するより、やらないで後悔するほうが、後悔は大きいって。


息を切らしながら、辺りを見回した。


神様、私にもう1度チャンスを下さい!!



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