天使のいいなり
「あたしは、里緒を信じるよ。だーかーらー、そんな泣きそうな顔しないの。」


つぐみが私の両ほっぺをつかみ、優しく引っ張る。

コレ…、瑞己もやってくれた。



「なんか里緒の話聞いてたら、頭に浮かんでくるの。『瑞己くん』って子が。くしゃくしゃな笑顔が印象的でさ、ちょっと生意気そうで、わざと明仁先輩にちょっかい出してじゃれあってる姿とかさ。」



『瑞己』


今でもあの出来事が夢だなんて、信じられないんだけど…。
私にとっては、大切な人なんだ。


一緒にいたトキは気づかなかったけど、瑞己がいてくれたから、乗り越えられたコトいっぱいあった。


私、瑞己にすっごく助けられた。

瑞己は私に、たくさんのコトを教えてくれたね…。



私は瑞己からの手紙の言葉を思い出す。


私に足りないのは…『自信』。




ねぇ、瑞己。

私、変われるかな?




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