天使のいいなり
夏目センパイの言葉が止まったと同時に、突然風が吹いた。



強くて、だけど優しく、心穏やかになる風が…。

もしかして、この追い風は瑞己?
離れても、私の背中を押してくれるの?


瑞己ってば、心配しすぎだよ。
子どもにこんなに心配かけて、ダメなお母さんだね。



だけど、もう大丈夫だよ。


瑞己…。


私に変るきっかけをくれて、ありがとね。

見てて。
私、勇気出して一歩踏み出すよ。




「センパイ…。」


もう1度顔を上げ、しっかりと夏目センパイの瞳を見る。

ずっと見てた。
私の大好きな人。



「私、夏目センパイが大好きです。」



私の恋が、今動き出した。

ここから、とびっきりキラキラした夏が始まる。



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