天使のいいなり
つるむようになり、遼が大人びている理由が分かった。



母親が小学生のトキ、亡くなってしまったんだと。
それ以来、自分のコトは自分でするようになったんだと話してくれた。


笑って、「俺ってそんなに老けてっかなー?」なんて言ってさ。



それだからなのか、遼の大人びた感じには、全く嫌味がなかった。
人との付き合い方も上手く、教師や上級生にも慕われていた。



俺は、親友でもあり、兄貴が出来たみたいで嬉しかった。





高2の始め。

同じクラスになった、西原実沙希と付き合うようになって、遼はよく笑うようになった。

やっと年相応になったというか、今まで張っていたものがとれたというか。



俺は、心からの遼の笑顔を見るコトが出来て、嬉しかった。



なのに、なんでだよ…。



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