天使のいいなり
大学に入り、遼は無意識のうちに女を避けるようになっていた。



同じサークルの五十嵐が遼に好意を持っているのは、一目瞭然だった。
全力で遼にぶつかっていく五十嵐。


そんな五十嵐を傷つけないよう、遼は遼なりに距離を置いて接してた。



遼を目の前にして、何も出来ない俺。

なにが親友だよ。
俺には、遼の心に刺さったトゲを抜くコトは出来ないよかよ?



一歩が踏み出せない。

そんな状態のまま、1年が過ぎた。





2年になり、りおぽんが俺達と同じ大学に入ってきた。

りおぽんを紹介したのに、深い意味はなかった。




だけど…。
今は違うと、そう思える。


きっと、必然だったんだ。


やっと、遼の役に立てる気がした。




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