天使のいいなり
パァ―――ン!!

夜空に花火が打ち上がる。
花火大会の始まり。



「すげー。キレーだなぁ。」

子どもみたいに夢中になって、花火を見つめる夏目センパイ。
センパイって、こんな顔もするんだ…。


そんな夏目センパイの前に、私は小さな箱を置いた。



「どしたの?コレ…。」

「もぅ…センパイ、ひどいです。誕生日教えてくれたっていいのに…。」

「もしかして…、コレ俺に?」

「はい。誕生日プレゼントです。」



口元を押さえ、箱を見つめてる夏目センパイ。



「やべー。すげー嬉しいかも…。っていうか、嬉しいデス。でも、どうして誕生日だって分かったの?」



それはね。

私は人差し指を立て、口の前に持っていく。
答えはもちろん。


「企業秘密です★」



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