天使のいいなり
次々と打ち上がる花火。



「もう1つ欲しいもんあるんだけど、いい?」


私の顔を覗き込み、ちょこっと上目使いでおねだりモードの夏目センパイ。

ちょっとぉ…。
この顔、反則じゃない?

一気に心臓がドキドキする。
落ち着け、私ー。



「なんですか?」

精一杯、平静を装う私。
本当はそれどころじゃないんだってば。


「敬語禁止でさ…、その…、名前で呼んでくれない?」

「敬語…禁止…?」

「俺ら、付き合ってるワケだしさ。それに、明仁のコトは名前っつーかあだ名で呼んでて、仲良いしさ…。」



嘘みたい。
センパイがこんなコト言うなんて…。

これって、つまり…。




「もしかして、センパイやきもち…ですか?」



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