天使のいいなり
チェックアウトを済ませた私たちは、旅館の近くにある渓流を散歩したりと、観光を楽しんだ。



今日は遼くんと一緒。
遼くんの半歩後ろを歩く私。


手、繋ぎたいなぁ。


遼くんの背中を見つめながら歩いていると、遼くんの足がピタッと止まった。
くるっと振り向き、私の前に手を差し出す。



「よかったら、手繋いでもらえませんか?」



遼くん、ちょっと顔赤い…?


私の気持ち、聞こえちゃったのかな?
遼くんの言葉やしぐさに、私の心が飛び跳ねる。
どうしてこの人は、こんなに私を幸せにしてくれるんだろう。



「喜んで。」



ちょっとお姫様気分。


私は遼くんの手をキュッと握る。


隣に並んで見上げる横顔。

夢じゃないんだよね?
私、この場所にいていいんだよね?



この場所から見る遼くんの顔が好き。
私だけの、特等席…。



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