天使のいいなり
私と遼くんは顔を見合わせ、くすっと笑う。



「この男の子、夢に出てきた子だ。」


瑞己ってば、こんなトコロまでもサプライズくれるの?

やっと分かった。
瑞己の笑った顔、遼くんにすっごく似てる。


きっと…、また会えるよね。
瑞己のコトだから、ひょっこり明日とか来たりして。



今私がココにいれるのは…。
遼くんの隣にいれるのはね。


全部、瑞己のおかげなんだよ。


瑞己と出会わなければ、私は自分のコト好きになれなかった。
ずっと自分のコト嫌いなままだった。

あのトキ、瑞己が背中を押してくれなかったら、私は今も逃げてばかりだと思うの。
変れなかったと思うの。


瑞己からの手紙は手元にはないけど、私の心の中にちゃんとある。
逃げ出しそうになったトキ、瑞己からの言葉を思い出す。

そう、魔法の言葉を…。



ありがとう、瑞己。
ありがとう、未来から来た、私の“天使”。



私の特別な夏が、終わろうとしている。



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