天使のいいなり
「二人は今日どうするの?どこか出かけるの?」


お母さんがゴハンを運びながら聞いてきた。



「大学行く。レポートの資料集めしなきゃいけないんだ。」


「俺も一緒に行くんです。里緒ちゃん大学に行く用事があるから、ついでに案内してくれるって。ねっ♪」


ねっ♪って、そんな話初耳なんだけど。
コイツ変態男の次は、詐欺師?


よくもまぁ、こんなにポンポンと嘘がつけるんだろう。
呆れるってゆーか、むしろ感心?


ぽけーっとしている私に、瑞己が軽く足をつついてくる。

目がこう言っている。



話合わせろよ。


「う、うん。昨日のお詫びも兼ねてね。ちょっとだったけど、大学に行ってみて面白そうだったから、もっと見たいんだって。」


とっさにしては、上手くつけた嘘。

なんか、どんどん嘘が増えていく気がする…。









< 37 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop