天使のいいなり
急いで図書室へ向かう。


ドコにいるんだろう。
こんなに広いと、捜すのも大変だよ。


だけど・・・、自然に足が動いた。
まるで、“ココにいるよ”って瑞己が教えてくれてるみたいに。



歴史の本がいっぱい・・・。

そこの一番奥の学習スペースに瑞己はいた。


目を輝かせながら本を読んでいる。


「瑞己・・・。」

小さい声で呼んでみた。


「あ、里緒。おかえり。」

椅子に座ってるから、私のコトを見上げる。
優しい声で、そんなコト言うから・・・、またドキっとした。



「あ・・・、遅くなってゴメン。お腹空いたでしょ?」

「そんなコトないよ。珍しい本がいっぱいあって楽しかった。この本なんか絶版になってるから、読めてすっげー嬉しいし!!」



まるで、オモチャを買ってもらった子どもみたい。


瑞己って、こんな風に笑うんだ・・・。







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