天使のいいなり

●好きな人

物音がした。
人の足音。


人が来るなんて思ってもいなかったから、ドキっとした。

誰………?

ゆっくり振り向くと、私のドキドキは増した。




嘘みたい。



「夏…目…センパイ…?」

うまく声が出ない。

ドキドキが更に強く、そして速くなる。



「里緒ちゃん?」


センパイも驚いた声をしている。



「ココに人がいるのにビックリしたけど、いたのが里緒ちゃんでもっと驚いた。」


目尻による笑いジワ。
くしゃっとした笑顔。


いつものセンパイの笑顔。






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