天使のいいなり
「センパイ!!この子、親戚の子なんです。夏休みの間、ウチで預かるコトになったんです。」


自然と息があがる。

ちょっと不自然だったかな…?

変に思われたかも。


チラリと瑞己の方を見る。
気味が悪いほどの笑顔。
もはや営業スマイル。
なんか変なコト企んでないといいけど…。



「はじめまして。瑞己っていいます。今日は里緒ちゃんに無理言って、大学に連れて来てもらったんです。俺、すっげー田舎に住んでるんで楽しみにしてたんですよ。」


「親戚…。あ、夏目です。夏目遼。ここの大学の2年。」


「ふぅーん。あ、俺に敬語つかわなくっていいですよ。それと“夏目くん”って呼んでもいい?」


「…?いいけど。」


「本当?俺1人っ子だし、田舎に住んでるから、同年代の男とかあんまりいなくて。兄貴がずっと欲しかったんだー。里緒ちゃん家に世話になってる間、仲良くしてもらませんか?」




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