天使のいいなり
「夏目くん。このきんぴらのニンジンどう思う?」


箸でつかんだニンジンを、にゅっとセンパイの前に持っていく瑞己。


えぇ――――――?
瑞己のほうがどうかと思うよ!!
たった今までイイ感じだった雰囲気、ぶち壊しじゃん。



「いい感じに斜めってるねー。」

「だろー?見て。横にすると、厚さが違うんだよ。」

「お、こっちもじゃん。」



って、センパイまでなんで乗ってるのよ。

うぅ。
それにしても、ニンジンでそこまで会話が弾むとは…。
もっと、キレイに切ればよかった。
大雑把な適当な子って思われる―――。




「でも、きんぴらも美味いよ。来週のバーベキューも期待してる。」

「は、はい!!野菜切りとか、頑張ります。」





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