天使のいいなり
クリスマスイブ。

冬期講習の帰り道、彼女を見かけた。

声をかけようとした瞬間、僕はその場に凍り付いてしまった。



今まで見たコトのない、彼女の笑顔。
男に寄り添い、腕を絡めている彼女。


なにかの間違いじゃないか?

僕の見間違いであって欲しいと、心から願った。



2人が入っていったのは…、ラブホテル。



入るときに見えた、彼女の横顔。
それは紛れもなく、僕がずっと見てきた彼女の横顔だった。



それからどうやって家に帰ってきたのかは覚えていない。
メシはのどを通るはずもなく、勉強も手につかなかった。
無理矢理眠ろうとしたが、全然眠くならず時間だけが過ぎていった。





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