天使のいいなり
アイツと彼女に裏切られていたのは、確かに辛く苦しかった。
憎んだ時期もあった。

でも裏切られたのは、僕の行動に対する罰だったのかもしれない。


アイツにできる僕の償いは、知らないフリをするコトだった。 



卒業式、まともにアイツの顔を見た。

すれ違ったとき、一言「ゴメン。」と小さな声が聞こえてきた。

みんなで行こうといってた卒業旅行も、アイツは来なかった。



僕はアイツに対して、なにも出来なかった。

ただ逃げるコトしか出来なかった。


……謝るのは、僕のほうだったのに。
謝る勇気もない、弱虫な僕。



僕は、友人を失った。






< 75 / 291 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop