天使のいいなり
気持ちよさそうに眠っている女の子。

眠り姫…?
それともおやゆび姫?


この寝顔を独り占めしたいと思った。



カシャ。

僕は思わず、小さな機械にお姫様の寝顔を閉じ込めた。


携帯電話の着信音で、現実に引き戻される。

…俺、今なにやってんだ?これじゃ変態だよな。


『もしもし、遼?今ドコにいんだよ?』

『あ、ちょっとな。明仁、今部室にいるんだろ?すぐ行くから。』


お姫様を起こさないよう、僕は小さな声で電話を切り、その場所を後にした。



ドクン、ドクン、ドクン………。
高鳴る鼓動。

これは僕の胸の音??




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