天使のいいなり
紗英さんの妹だから、きっと似ているんだろうな。

僕は、どういう態度をとればいいんだろうか?
平常心でいられるんだろうか?

「俺って、女々しいのかなぁ…。」




「あー、りおぽん。こっちこっちー。」


明仁が大きく手を振りながら呼びかける。
僕も明仁の視線の先を見る。

紗英さんみたいな人…。

彼女みたいな人…。


たくさんの人がいるが、それらしき人はいない。



人の波をかき分け、明仁の前に小さな女の子がやって来た。



「もう、人多すぎ。ここ分かりにくいよ、アッキー。」


僕の心が大きく揺れた。





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