天使のいいなり
駅に着くと、ワゴン車の前に夏目センパイが立っていた。

ただ立っているだけなのに、今日のセンパイもカッコイイよー。
まるで、モデルさんみたい…。

朝からセンパイに見惚れてしまう。


そんなんだから、朝の最初の挨拶も瑞己に盗られてしまった。


「夏目くーん、おはよう。」

「おはよう。朝から元気いいなー。さすが若者。里緒ちゃんもおはよう。」

「お、おはようございます。」


里緒ちゃんもって…、瑞己のついで…??
そんなつもりはないだろうけど、私ってば心狭すぎかも。
でもやっぱり、最初に挨拶したかった。

瑞己のバカ!!



「今日は瑞己連れてくコトになって、スミマセン。」

「気にすんなって。こっちこそ、駅まで来てもらって悪いな。」


くしゃくしゃの笑顔。
そんな顔で言われたら、みんなセンパイに恋しちゃうよ。






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