天使のいいなり
「いたのって、朝からなにボケてんのよ。それより、なんで夏目センパイと一緒に来てんの!?話しなさいよ★」


さぁ早く~!!と言わんばかりのつぐみの目。

本当につぐみが期待するようなコトはないからねと前置きして、私は夏目センパイとのお弁当のコトを話した。


「へ~、里緒にしては頑張ったじゃん。なんでもっと早く教えてくれなかったのよ!!今年こそ“脱★片思い番長”だからね!!」


自分のコトのように喜ぶつぐみ。グアムのコト話してよって言ったら、「今は里緒と夏目センパイの進展の方が大事!!」なんて言ってくれた。



最後の一言は余計だけど、本当のコトだから何も言えない。
恋愛に対して臆病者で、いつも“見ているだけの恋”で終了。
そのパターンは数知れず。
こんな自分、大嫌い。



話をしている最中、つぐみの視線が気になった。
ある人物を目で追っている。


その人物が、私のほうにやって来た。







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