天使のいいなり
「遥香先輩。それじゃあ、お色気担当のあたし達は野菜切りしましょ。日焼けして、シミなんか出来ちゃったら大変ですもん。力仕事は男性と、お色気戦力外の里緒に託して♪」


ものの見事。
鮮やかに遥香先輩を連れ去って行った。

一瞬、つぐみが振り返って口パクで言ってきた。


「ガンバレ。」




夏目センパイと一緒に作業できるなんて、夢みたい。
まるで、高校の文化祭みたいな感覚。
テント張りは重労働で手も痛いはずなのに、楽しいから作業が全然苦にならない。


引っ張る力が弱くて放しちゃいそうになったトキ、すかさず夏目センパイが手を貸してくれた。


足手まといだったかもしれないけど、完成したテントを目の前にして、嬉しさがこみ上げてきた。




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