唇を青く染めて呪いの謳を謳いながら【長編集】



「バカダナニンゲンッテイキモノハ」

「!?」


子供か大人かも分からない不思議な
声だった。

そして杉の木に釘で打ちつけられていた
藁人形が微かに動く。
――…まさかこの人形の声…?



「ヒトヲノロエバアナフタツッテヤツダ。
ジブンニモノロイガ、フリカカルトイウノニ」

藁人形は自分でお腹に刺さっていた
釘を抜いた。

そして私に歩み寄ってくる。







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