唇を青く染めて呪いの謳を謳いながら【長編集】


インターホンの音は
静かな廊下に響き渡った。


インターホンの音が鳴ってから
大分時間が経ったが
誰も出てくる気配は感じられない。

「あーあ。居ないのかなあ。ま、また来てみよう」

私はそう独り言を言いながら
201号室を後にした。




そして私が行った後

インターホンから雑音が流れる。


『……ガ…………ガガ…ふ……ふ』






*







< 32 / 54 >

この作品をシェア

pagetop