唇を青く染めて呪いの謳を謳いながら【長編集】


『はい――…? どちら様でしょう』

美しい、カナリアの囀りのような声だった。

私は驚き、振り返って
インターホンに向って喋りかける。

「あの!? 奈落 霊子さんですか?!」

『ええ』

私は耳を疑う。

まさか

本当に奈落 霊子が実在していたなんて…
吃驚だった。





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