唇を青く染めて呪いの謳を謳いながら【長編集】



「私、幽霊なんかじゃ、ないわ。
にん、げ、ん、よ」


低く醜い声が耳に飛び込んでくる。

やはり奈落 霊子は幽霊だった?
先程までの綺麗な部屋は
血塗れの汚い部屋になっていた。

私は夢でも見ていたのか?


「あた、し、ずっと、ひと、り、だったの。
だ、か、ら、あなたが、き、てく、れて
すごく、う、れしい、わ」


途切れ途切れの言葉。

私は椅子から立ち上がり
玄関へと走った。





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