唇を青く染めて呪いの謳を謳いながら【長編集】


「骨董、品屋……」

「ああ」

男はまた一段と穏やかな笑みを零す。
そしてするりと
白い、雪の様な肌の手で

私の髪の毛を優しく触った。


「君は、何か退屈しのぎになる様なものが
欲しいのだろう?」


彼は私の心を見透かした様に言う。


図星だったため、驚きを隠せなかった。


「何故、分かるんですか……?」


「君の様な子しか、このお店は入れないから」




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