唇を青く染めて呪いの謳を謳いながら【長編集】



私は彼の言っている意味がわからなかった。

「……?」


「まあ分からなくていい事だよ」


そう言うと彼は
ある物をカウンターに置いた。


「これなんてどうだい?」


カウンターに置かれたのは…

藁人形…?


「なんか…呪われそうな感じな…」

「まあまあ。呪われやしないよ」


そう言って彼は
私に向かって藁人形を差し出した。



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