唇を青く染めて呪いの謳を謳いながら【長編集】



私はまじまじと藁人形を見た。

……

……


「下さい」



「毎度あり」



男は不気味に笑った。


「お金は」

「いいよ、タダさ」

お金が要らないなんて。
と、少し気味が悪かったが
私は藁人形を

強く握って店を後にした。





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