【長編】Lover only of name[おまけ追加]
「雄一って、いいね。」


「えっ?」


ちょっとだけ機嫌を直して、聞き直してきた。


「感情ゆたかだしさ。
私と大違い。」


「もしかして、柚にとっては、うるさい存在か?
もしかして、佐倉のがいいとか?」


雄一の表情は、クルクルと変わる。


「私は、嬉しいよ。
気持ちが伝わるから安心だし。」


私は、雄一に微笑んだ。


「柚ってさ。
なにしたら、俺に感情的になんの?」


雄一は、不思議そうに聞いてきた。


たいていのことは、何も言わないからね。


「う〜ん。
本気かな?」


前に友紀に言ったことを思い出した。


「本気?」


雄一には、わからないみたい。


って、それしか言ってないもんね。


「浮気は許せるけど、本気は許せないって意味。」


「?」


雄一は、首を傾げた。


やっぱり、わからないみたい。
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