僕ときみ








 でも、僕もあの人も

 もうきみに逢えないことが
 わかった。

 もう逢えないって、おもった。


 そのとき
 治療室のドアがあく。

 ゆっくりと顔をあげたら

 先生がすみません。
 って、

 それだけ言った。



 僕だったら

 なんで助けてくれない!?

 って言い、
 先生を責めるのに。


 あの人は

 ありがとうございました。

 あたまを下げた。



 大人だなあ、、

 とボーッと見てた。


 先生は涙を流した。

 きみのこと、
 なにも知らないくせにね。

 なにも、

 知らないくせに、、。

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