愛しいキミへ
両手で沙菜のほっぺを両方から軽くつねった。

「沙菜起きろー!ミルク買って来たぞー!」
「─ッ!いったぁ〜い!!普通待たせておいて、そんな起こし方する!?」

目を覚まし、つねられた両頬をさする。

「アホ面で寝てるからだよ。紅茶いれてくるから、ヨダレ拭いとけよ。」

意地悪く笑って、コンビニの袋からお菓子とミルクをテーブルに出し、部屋を出る。
沙菜は焦って口元に手を持っていく。

「ヨダレなんて出てないもん!!アホ面ってひどい〜!」


この後、もちろんミルクたっぷりの紅茶で沙菜の機嫌は直った。


俺と沙菜の距離は幼なじみ。
付き合っていても、これ以上でもこれ以下でもない。
絶対に壊してはいけない距離。
このことを俺は忘れてはいけないんだ。
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