愛しいキミへ
告白
沙菜との関係が変わらないまま日が過ぎていく。
だけど、一緒にいられるから俺は幸せだった。

──ある日
朝一緒に登校し、別々の教室に入っていく。
どんなに仲が良いとはいえ、同じクラスにはなれなかった。
クラス分けした教師誰だよッ!!
俺と沙菜を引き離すんじゃねぇし!
心の中で愚痴り、自分の席に鞄を置いた。

「雅樹〜。おはよ〜。」
「おっ。直哉。はよ♪」
「あぁ〜。朝から沙菜ちゃんとラブラブ登校しやがって羨ましい!」

このこの。
からかいながら直哉は、俺を手加減なしで叩いてくる。

こいつは直哉。
高校三年で同じクラスになり、仲良くなったやつ。
お調子者だけど、時と場所をちゃんとわきまえる。
俺と沙菜のことを全部知っていて、辛い時は真剣に話しを聞いてくれる。
今一番、信用出来る友達だ。

「痛いっつうの!毎日毎日同じことで、騒ぐんじゃねぇよ。」

叩き返し、席につく。
俺の反応が不満なのか、眉を潜めた。
前の席に腰をおろし、俺の方を向いて話を続ける。

「ラブラブだからって、すますなよ〜。俺だって、彼女作ってからかわれたいよ。」
「だったら早く告れって。」
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