愛しいキミへ
落ち込む直哉を逆にいじりだす。
ころころと笑い、直哉にとって痛いとこをつく。
女子とも仲良く出来るやつなのに、好きな子とは上手く話せなくなる純情少年。
長く片想いしてんだよね。

「告れれば苦労してないって!知ってるくせにひで〜。」

ムクれて座り直し、俺に背中を向けてきた。
こいつ、からかってくるくせに、いじられるのは苦手なんだよな。
両肩にポンッと手を置く。

「悪かったって〜。なっ!機嫌直せよ。」

肩を前後に激しく揺らす。

「ちょっ!やめろよ!酔う…っわかったから!機嫌直すから!」

こうやって、ふざけられるのが友達って感じで楽しい。


─♪〜♪〜♪〜
俺のポケットの中で携帯が鳴り始め、メールの着信を知らせる。
直哉を揺するのを止めて、携帯を取り出し、メールを読む。

「…。」
「何!何!?もしかして、沙菜ちゃんからのラブメール!?」

一人で騒ぎ始めた直哉を見つめ、深くため息をつく。
首を横に振る。

「…違う。由香利から。」
俺からの返事を聞き、顔色を変えた。

「は…?まだ連絡取り合ってんの?」
「俺からは送らねぇよ。いつも由香利から連絡がくるんだよ。」

ほら
っと、直哉に携帯の画面を見せる。

【会いたい】

一言だけの短いメール。
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