愛しいキミへ
「ん?高校の友達だよ♪明日仲良しグループで遊ぶんだ。」
「そうなんだぁ。仲良く出来てて良かったね♪」

─『グループ』
女の子と一緒でも、二人で遊ぶわけでない。
言葉がそう教えたかのように、ほっとした表情で笑う沙菜。
その笑顔が可愛かったけど・・・
俺じゃなくて、悠兄が作っているのが悔しかった。

「…とか言って〜実は悠兄の彼女なんじゃないの?可愛い声が聞こえてきたんだけど♪」

沙菜の笑顔が消える。
瞳が悠兄を見つめ答えを待っていた。
その横で悠兄は、少し気まずそうにして答えだした。

「…彼女ってわけじゃないんだけど…告られては…いる。んで、グループで遊ぶ前にちょっとだけ時間作って…って。」

話すにつれて、困っていた顔が微笑んでいく。
悠兄と沙菜の表情は対照的だった。

「…その人のこと好きなの?付き合うの?」

確信をついた質問。
沙菜が・・・聞いた。
震える手を、必死で握って止めていた。

「…わかんねぇ。良い奴なんだけど、まだ高校で会ったばっかりだし。まぁ付き合うとかになったらちゃーんと、お前ら二人には教えるよ。」

にっこり笑って、話しを終えた。
─付き合うかわかんないのか
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