愛しいキミへ
「家帰れば拭けるからいいよ。ありがとな。」
「そう〜?…てか、会うのちょうど良かった!今から雅樹の家お邪魔して良い?」

ハンカチをしまい、思い出したかのようにパッと笑顔になって尋ねてきた。
・・・可愛すぎ
思わずドキドキする。

「良いけど…どうしたの?」
「雅樹が見たがってた映画のDVD借りてきたとこなの〜。私も見てない映画だし、一緒に見よう♪」

沙菜からの誘いがめっちゃ嬉しい。
自然と笑顔になる。

「見よう見よう!じゃあこのまま、うちおいでよ。」
「うん♪」

ちょこちょこと俺について来て、沙菜は一緒に家に入った。
沙菜を俺の部屋に通し、違う部屋で制服から着替える。
紅茶とお菓子とミルクを持って部屋に戻り、DVDを見る準備を始めた。

「このDVD、今日レンタル開始だったんだな♪」

沙菜と二人っきりの時間が嬉しくて、顔がにやけてしまう。
うきうきとする俺の横で沙菜が冷静に話し掛けてくる。

「帰り際に雅樹と一緒に借りに行こうと思ってたんだよ〜。急な用事ってなんだったの?」

どきっ
まさか理由を聞かれると思ってなかった〜。
やべ・・・
何て答えよう・・・
ふと一つの考えが浮かんだ。
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