愛しいキミへ
一応行きたいとこはあるんだけど・・・
まだ誰にも言えないでいる。
自信を持って、行きたいって言えない。
言えるようになったら、一番に沙菜へ伝えたいな

「目標あるなら、頑張れるだろ。」
「そうなんだけど〜…頑張るしかないか。」

曇った表情で弱々しく笑う。
昔は夏休みって楽しみなものだったのにな。
無邪気に遊べる、小学生が羨ましいっ!!

「予備校ない日は遊ぼうよ。連絡待ってるわ。んじゃ、俺は帰るね。」
「おう。じゃあなぁ〜。雅樹こそ何かあったら連絡しろよ。」

直哉に声をかけて、玄関へと向かう。
何かあったら・・・それが良い意味なのか、悪い意味なのかは、わからなかった。
でも良い報告の連絡したいな

玄関に行くと、すでに待っている沙菜がいた。
いつもは俺が待つのに、直哉と話をしていたから珍しく逆になってしまった。
俺に気付くと、ニコッと笑顔を向けてくれる。
・・・可愛すぎだから

「お待たせ。待った?」
「全然待ってないよ。帰ろ♪」

並んで歩いて帰る。
付き合って4ヶ月。
進展っぽいことは、何もない。
まだ幼なじみが抜けきらない俺たちは、手を繋いで帰ることはなかった。

でも・・・
距離が縮んでる気がするのは俺だけ?
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