愛しいキミへ
【さっきは、ホントごめんッ!!無神経だったよな…。あんなこと思ってないし、もう言わないから、今日も一緒に勉強しよう。】

送信…と。
あとは沙菜からの連絡を待つだけだ。

携帯をベッドの上に置き、クーラーをつけてワイシャツを脱ぐ。
ワイシャツの下の、汗ばんだ肌に涼しい風があたる。
最近は、暑くてすぐに汗をかく。
上半身だけ裸で、着替えをタンスから出し始める。

─♪♪〜♪〜
背後で鳴り始めたメロディー。
出したばかりの着替えを放り、すぐさま携帯を手に取る。

きっと沙菜からだっ!!

画面を見ずに電話に出る。

「はい!?」
『声でかいよ。お前、学校に古文のノートあるけど、平気なの?』

携帯から聞こえてきたのは、直哉の声。
一気に力をなくし、ベッドに寝転ぶ。
直哉には悪いけど、がっかりしてしまった。

『…?雅樹、聞いてんの?』
「聞いてるよ。しまい忘れてた。教えてくれて、サンキュ。」

投げやりな返事の仕方に、鋭い直哉はすぐに気付いく。

『お前…何かあっただろ?さっき学校いた時より、元気なさすぎだから。』
「…沙菜と喧嘩したんだよ。」
『はぁ!?今日も一緒に帰ってたじゃん。何があったわけ?』

普段、色々相談にのってもらっている直哉には、隠さずに話した。
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