愛しいキミへ
電話越しに、俺と沙菜の喧嘩を理由を聞いた直哉は、ケラケラと笑い出した。

『好きな人いじめる小学生か。お前は。』
「…うっせーよ。」

自分でも思ったことだったが、改めて直哉に言われて、自分の幼稚さにへこむ。

話を聞いた後の電話で直哉は、からかいの言葉を含みつつも、笑いで俺を元気付けようとしてくれた。

『ちゃんと仲直りしろよな。んじゃ、またな。』
「わかってるよ。わざわざ連絡ありがと。じゃあな。」

直哉との電話を切って、ベッドに腰かける。
沙菜からの連絡は来ない。
あのメール見ても、まだ怒ってるのかなぁ〜・・・あっ!!
直哉と電話してたから、沙菜からの連絡入んないじゃん!!
電話中に、連絡きてたかも・・・。

「くそ〜。直哉タイミング悪っ。」

友から電話を恨み、キャッチ機能をつけていない携帯を後悔する。

「メールも入ってないし・・・─ッくしゅんっ!」

くしゃみをして、肌に刺さる寒さに気付く。
着替えの途中で電話がきたから、上半身裸のこと忘れてた。
そんな状態なのに、クーラーだけはガンガンに付けっぱなし。

「俺は、何してんだか。」

ため息をついて、クーラーを消して、Tシャツを身に付けた。
沙菜からの連絡がこない携帯を枕元に置き、いじけたようにベッドに寝転んだ。
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