愛しいキミへ
キスをした日から、穏やかに日々は過ぎた。

あの次の日には熱が下がり、沙菜と勉強会をした。
気まずくなったり、ギクシャクしたりすると思った。
けれど、何も変わらず、過ごせた。

あれ以来、キスすることはなかった。
沙菜が俺からのキスを受け入れたのは、熱があり、いつもと違う俺だったからなんじゃないか・・・次は拒否されるのではないか・・・。
そう考えると、怖くて動けなかった。

恋人に近づいたつもりでも、先を考えると動けない。
恋人同士なら、簡単に出来ること──


「キス」


出来ないでいる内は、まだまだ恋人には遠い気がするんだ。



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