愛しいキミへ
夜、沙菜から一通のメールが届いた。

【今日、悠ちゃんに告白したの。そしたら、付き合うことになったァ☆…こういう報告って照れるねッ(*>_<*) 二人で出掛けることが増えるケド…三人でも遊ぼぉねッ!】

こないだの言葉は、告白を決心してたんだな。

沙菜に返信せずに、悠兄に電話をかけた。
理由なんてない。
携帯を持つ手が勝手に動いていた。


「…もしもし。雅樹?」

電話が数回コールした時に、悠兄は電話に出た。
いつも通りの悠兄の声。
俺は何も言えず、ただ黙って携帯を持っていた。

「おーい?雅樹!!」
「あっ…。悠兄。」

・・・悠兄の声を聞いて我に返る。
それでも、何も言えなかった。
聞きたいことだってあるはずなのに・・・

「どうした?何かあった?」

優しい悠兄の言葉。
沙菜が好きになったのが、当たり前の様に思えた。

「雅樹?」
「…沙菜と付き合ったらしいね!」

明るく何も思っていないように。
俺の気持ちなんて、悟られないように。

「もう知ってるってことは、沙菜に聞いたな?」
「当たり前っ!嬉しそうな報告メールがきましたよ。」
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