愛しいキミへ
急に寂しく不安になり、沙菜の手に静かに触れる。

ビクッ

突然触れられて、沙菜の手が離れた。
でも俺を見て、にっこり笑い手を繋いでくれた。
少し手を繋いで歩いていると、暑さのせいかで手に汗をかいてきて、恥ずかしくなる。
・・・俺は乙女か

「…沙菜。俺、手に汗かいてるから離して良いよ。」
「別に気にならないよ。大丈夫!雅樹、女の子みたい。」

ころころ笑って手を繋ぎ続ける沙菜に、感じていた不安がなくなっていく。
ぎゅっと繋ぐ力を少し強くして二人で歩き続けた。


帰宅してからは俺の部屋で勉強をした。
無言で静かな時間が流れる。

───勉強を始めて二時間くらい経った

「ん~っ!ちょっと休憩。」

ノビをする沙菜を見て、俺もキリの良いところで休憩する。
沙菜のためにキッチンから冷たいアイスココアを持ってきて、飲みながら少し話す。
この時間が俺の楽しみに時間だ♪

「そういえば面談終わって歩いてたら、直哉くんに会ったよ。なんか元気なかったみたいだけど…。」

思い出したように話し出す。
そっか
直哉が面談に向かうのと、沙菜が終わるのとタイミングが合ったのか
大丈夫かな…と心配するのを見て、少し友にヤキモチを妬く。
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