愛しいキミへ
「…返さないとキスするよ。」

・・・何言ってんの!?俺!!
慌ててた上に沙菜とくっつく状態になって気が動転して、変なことを口走った。
ますます顔を赤くする沙菜。

───カランッ
ココアに入った氷が音をたてる。

自分が言ったことに耐えられなくなり、体を起こそうとした──

「良いよ。」
「え?」
「返さないから…すれば良いよ。」

思いがけない沙菜の返事。
聞き間違いじゃない・・・よな
頬を赤く染め、少しうつむく姿が聞き間違えではないと言っているようだった。

覗きこむように顔を近づけて──

──キスをした。

重なった唇を少し離して、もう一度重ねる。

キスをした理由なんて忘れて何度もキスをした。
拒まない沙菜を優しく抱きしめる。

「好き。」

唇を離した時に伝えた想い。
見つめあい、もっと沙菜に触れようと唇を再び重ねた。
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