愛しいキミへ
文化祭
10月に入り秋がどんどん深まっていき、木々の葉が緑から、茶色やオレンジへと変わっていく。
衣替えも済んで久しぶりに着たブレザーは少し重たく感じた。

今日は日曜日。
けれど、制服を着て学校に登校していた。
理由は今日が高校の文化祭だから。
と言っても、三年生は出店はしない。
俺の高校は進学校で有名。
三年生のほとんどが大学受験をする。
受験が迫ってきているのに、毎日遅くまで残って準備なんてしている時間はない。
でも一応、学校行事ってことで登校は義務付けられている。
出席をとった後は、文化祭を回っても良し。
帰宅してしまっても良し・・・というわけだ。

「あぁ~今年も店とかやりたかったなぁ~。」

出席をとってクラスで解散となり、俺は直哉とお祭り雰囲気の学校内を歩いていた。
後輩たちの楽しそうな顔が羨ましい・・・

「去年は三年生の有志で映画をやってたのに…今年は人数集まらなかったらしいね。」
「は!?俺、そんな話きいてないけど!いつ集めてたの?」

今日初めて聞いたことに、俺は驚いた。
知ってたら絶対参加したのに!!
こういうお祭り騒ぎって大好きなんだよね♪

「夏休み前…だったかな?元野球部連中が声かけてたよ。」
「まじかよ…。知ってて何で教えてくれねぇんだよ。」
「自分が参加しないから忘れてたよ。」
「直哉も文化祭とか好きなのに、参加しなかったのは意外だな~。」

俺の言葉を聞いて、ため息をついた。
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